米谷隆佑 "大きな鳥にさらわれないよう" 2025年4月20日

米谷隆佑
米谷隆佑
@yoneryu_
2025年4月20日
大きな鳥にさらわれないよう
未来の人類史をテーマにこれほどやわらかく、心情のこもった作品があっただろうか、と初めて受けた衝撃にしばらく身悶えした。 SF、というには硬派すぎて、とてもじゃないがこの小説を上手く分類する言葉があるとは思えない。一部分で硬派な科学の言葉を使う。でも会話調にするっと滑り込ませた程度で咀嚼が難しくない。コンピュータ科学と生物学の話に触れることがあっても、全てが既視感があり難しく感じさせない。それどころか、どこかで見たことのあるような景色、心理変化、そして聞いたことのない末路を、ぼくは巨大な鳥に監視されているかのように漠然と怖くなってしまう。神、かみ?なのかもしれない。信じたことのない神を、一度信じてみるならこの「気配」から調べていきたい。
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