米谷隆佑 "カンガルー・ノート" 2025年4月20日

米谷隆佑
米谷隆佑
@yoneryu_
2025年4月20日
カンガルー・ノート
予想していた物語の三分の一程度の濃度。不可思議な旅も振り返ってみるとそう可笑しく感じないと思ったし、他作の特徴を垣間見る言葉遣いが多く、逆に他で見られなかった視点に気づけたことが、どうやら『カンガルー・ノート』は安部公房文学の交差点にあるのかもしれない、という仮説に辿り着いた。 羞恥心と入れ子構造の関係性、病院の新しい舞台的な意味を与えんとし、地獄のお遍路を通して面白おかしく伝えてくれる展開にぼくは面白さを感じた。当時の「死」の捉え方が変貌する様(夭折と老人の終末期、安楽死をどう捉えるかなど)を読み解くための考証になり得る、と思った。
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