読書日和 "遠くまで歩く" 2025年4月20日

読書日和
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@miou-books
2025年4月20日
遠くまで歩く
遠くまで歩く
柴崎友香
もう忘れかけてたコロナ禍の様子を思い出した。 コロナウィルス感染拡大のなか、小説家のヤマネは、『実践講座・身近な場所を表現する/地図と映像を手がかりに』という講座を担当することになる。 今では一般的になったzoomを通したやり取り、あー、当初はこうだったなとか、ちょっと懐かしいくらい。講座を通してめ合い、励まし合うメンバーたちも好ましい。 物語は文中の登場人物たちの会話が中心。言葉から情景を想像して、読みながら頭のうちにいくつもの情景が広がった。 出だしからしてすごい文章。「校庭で振り返ったときに見たあの美しい夕陽を覚えているかしら。」 主人公が同窓会で同級生に聞かれた「廊下から見たあのすごい夕焼けを覚えてる?」。どちらも見ていないけれど、自分の心のうちにその景色が広がる。この本全体を通して、ゆったりと情景を楽しむ本だなぁ、と感じた。 「5分だけの散歩」、気になるなあ。
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