
紫嶋
@09sjm
2025年4月20日

とかげ
吉本ばなな
読み終わった
借りてきた
この短編集全体に共通するテーマが何であるのかについては、作者自身の解説があとがきにあるのだが、敢えてそれを無視して私自身が読む中で感じたことを綴るとすれば、「理屈の外側にある、人生の直感的な領域」の話だったように思う。
誰かとの出会いや自他の生死。自らの意志で選び取っているようで、実際はより大きな因果や流れに導かれるように辿り着いた現時点、そして未来。
作者はそれらをとりわけ恋愛や結婚に結びつけて物語っているが、それは作者の得意なフィールドがそこだったからなのだとも思う。
私は正直、恋愛要素に関しては全く感情移入できなかったが、しかしより広く人生の直感的側面に関する哲学の物語だと考えて読むことで、この本から感じ取れるものが増えたような気がした。