ni "法水麟太郎全短篇" 2025年4月20日

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@nininice
2025年4月20日
法水麟太郎全短篇
法水麟太郎全短篇
小栗虫太郎,
日下三蔵
犯人が、池の水で血に染んだ手を洗ったのだが、その時付近に水浸しになっていた木精蓮の一本があったとしたらどうだろう。勿論血の臭気を慕って蛭が軍種する事は云う迄もないが、それから間もなく、犯人は浮遊物を流すために、水門の堰板を開いて水を流したのだ。すると、水面が下っただけ、木精蓮は空気中に突出する訳だろう。だから、朝になって花が閉じた時に、残った蛭が花弁に包まれてしまったのだ。
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