
エマ子
@emma-0508
2025年4月21日

この村にとどまる
マルコ・バルツァーノ,
関口英子
読み終わった
イタリアとドイツ、強国の狭間で翻弄され続けるチロルの村。
そこに暮らす一人の女性の物語。言語、職、子供、暮らす場所、日常をかたち作るものが奪われる。その苦しみが娘への手紙という形を通して淡々と語られる。
言葉は無力で、村がダムの底に沈むのを止められなかった。だけど言葉が彼女の人生を支え続けた。
最後まで読むとこの表紙の残酷さがよくわかる。
「すべてが取っ組み合いの闘いであり、敗北が宿命づけられているときにでも身を投じられる者だけが勇者なのでした」
憤りを内包していくような主人公とは対照的な夫の姿も心に残ります。







