こんぺい
@konpei
2025年4月21日

列
中村文則
読んでる
一気に読んで、第1部が終わった。「銃」「遮光」から追っていたけれど、「掏摸」で作者のなにかが変わってしまった気がして離れていた。が、文頭と野間文芸賞に惹かれた。間違ってなかった。「掏摸」以前の肉肉しさをそのままに、不安定だった文体(それも魅力だったけれど)が豊潤な執筆経験で安定している。ここまではほとんど完璧なのだけど、2部3部の不安もある。この熱は技術で保ち続けられるとして、そこからの展開が。あまりに息苦しいので、中長編に向いてない作家なのかな。
古典はともかく、文学は持たざる者にかぎると思っていたのだけど、円城塔しかり、やはり説得力が違う。社会学学士が社会を現すと、もう敵わないのだな、という絶望感がある。