
うえの
@uen0
2025年4月19日

別れを告げない
ハン・ガン,
斎藤真理子
読み終わった
歴史における虐殺やジェノサイドというテーマで書き続けようという意思と、その影響力をこの分野に使おうとする生き様に、ただただ圧倒されるし、尊敬の念を送りたくなる。
その力強さが、静かに私を見つめているような読了感。
そのピリッとした眼差しを忘れないで生きてゆけたら。
日本も無縁の話ではない。
あの戦争がもたらしたもの。あの戦争がなければ起きなかったこと。
そこに想いを馳せる時間にもなると思う。
加害の歴史を持つ国の立場として、その歴史を改めて実感する意味でも、読んで良かったと思う。
在日と呼ばれる人たちが存在する歴史のひとつでもある。
知ろうとすることが、何かをすこしでも解決することにつながると信じたい。
そして、ケアの物語でもあり、親から子・子から親の理解の物語でもあり、「この人の存在が私を生かした」という愛の物語でもある。
哀悼は終わらない。終わらせてはならない。

