
菜穂
@mblaq_0825
2025年4月22日

忘却の河
福永武彦
読んでる
本のある暮らし
積読家
輪読会にてP40~P85まで。
語り手の名前は分からぬまま語りは続く。
前回拝読したところで助けた女性のお見舞いに行き友達の話を語りだしました。
相変わらず過去と現代を行ったり来たり。語り手は過去の自分のことを友人と呼んだり、彼と呼んだり。
話し言葉にカギ括弧もないし場面もころころ変わるのだけれど、不思議と戸惑うことなく物語を受け容れれる。頭で映像化される。
さすが福永氏。
数々の死を背負い自分の人生を生きれていなかった語り手は、道端で助けた女性と出逢ってからやっと自分の人生を生きようと思えたような気がしました。
何かを抱えている大人の男性が魅力的に見えるのは凄いわかる。助けられた女性の気持ちに共感しつつ、有邪気な女性の屈託のなさに読者の心も解けるよう。
第1章は色んなことが起こりなかなか濃厚でした。次からはどうやら第1章で語り手だった男性の周りの人達が語り手として現れていくもよう。
雰囲気は「深い河/遠藤周作」に似ている気がします。
全てが語られどんな結末になっていくのか楽しみ。
映像化するならば第1章の語り手は役所広司さんでお願いします。




