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菜穂
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@mblaq_0825
初めまして菜穂(なお)です。 乱読する方で、紙の本を読むことがほとんどです。 活字中毒ではなく紙をめくる中毒です。 密かに積読家として活動しています。 よろしくお願いします。
  • 2026年10月9日
    シークレット・オブ・ベッドルーム
    シークレット・オブ・ベッドルーム
    正反対の二人、スキナーとブライアンが出会い、憎しみがやがて呪いとなって思いもよらぬ展開へ。 登場人物たちはみんな孤独と闘っているように感じました。そして、憎悪と愛は表裏一体なのかもしれないとも。相手を強く意識し、執着せずにはいられない感情の危うさが印象に残りました。 本作を読みながら、若かりし頃の自分を思い出しました。孤独を埋めるためにカオスな世界に身を潜めていた日々。後悔がないとは言いきれないけれど、そこで出逢えた人たちもいます。 本作は、そんな過去の自分を改めて見つめ直すきっかけとなりました。
  • 2026年10月8日
    ババヤガの夜 (河出文庫)
    Audible二十四作目。 生きる楽しみが暴力である主人公が、暴力団組長の一人娘のボディーガードを務めることに。 鮮明な暴力描写に耳を覆いたくなる場面もありましたが、スピーディーで予測のつかない展開に、最後まで聴くことをやめられませんでした。 希望と絶望が入り交じる結末を迎え、心に残ったのは「自由を得るために闘うこと」。 今観ているドラマにも通じるテーマだと気づきました。 自由を求めて闘う登場人物たち。一方で、私は暴力を使わずとも自由を求められるはずなのに、なぜ躊躇っているのだろう。 物語を通して、自分自身の生き方まで問い直すことになりました。 すごく好きな物語というわけではありません。それでも、鋭いメッセージが詰まった、深く印象に残る作品でした。
  • 2026年10月6日
    先祖探偵
    先祖探偵
    Audible二十三作目。 幼い頃に生き別れた母を探しながら、依頼人の先祖を探る探偵の物語。 先祖を辿ることで、その人が今を生きるまでの背景や、そこに関わるさまざまな人の人生が浮かび上がってきます。 こういう「主人公だけではなく、いろんな人の生き方や思惑が見えてくる作品」が、私はやっぱり好きなんだなと改めて実感しました。 そして本書を聴きながら、私自身も自分のルーツをあまり知らないことに気づきました。 私が今ここに在るのも、これまで生きてきた先祖がいたからこそ。 ずっと気になりながら後回しにしてきた自分のルーツを、少し調べてみたくなりました。 読後に残ったのは、そんな小さな好奇心と、静かな余韻でした。
  • 2026年9月30日
    猫を処方いたします。
    ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ Audible二十二作目。 悩みを抱えた人のもとに現れるクリニックで処方されるのは、薬ではなく一匹の猫。ファンタジーのような物語ですが、描かれる悩みはとても現実的で、ペットブームの裏にある問題にも触れられています。 そして、終盤で明かされるクリニックの謎に胸が詰まりました。 私は20年間、犬とともに暮らしてきました。彼らの言葉や想いは分からないけれど、私と過ごしてくれたことへの感謝はあります。そして、居なくなった子たちを想えば、今でも寂しい。 そんな自分の想いと重なる部分があり、聴き終えたあと、少し心が浄化されたような感覚になりました。
  • 2026年9月27日
    雨ふる本屋
    雨ふる本屋
    「雨ふる本屋」というタイトルからして、本好きの心をくすぐる一冊です。 不貞腐れながらお使いをしていたルウ子が迷い込んだのは、雨が降る不思議な本屋。そこで働くことになり、さまざまな本や人と出会うなかで、少しずつ自分の世界を広げていきます。 児童文学ですが、ただ夢のような世界を楽しむだけではありません。本を読むこと、物語に触れることが、誰かの心や世界をほんの少し変えていく。そのことを、物語そのものを通して感じさせてくれました。 本が好きな人なら、「こんな本屋があったらいいな」ときっと一度は思ってしまうはず。 雨の日に、そっと開きたくなるような物語でした☔️📚
  • 2026年9月21日
    新装版 続・森崎書店の日々: (小学館)
    新装版 続・森崎書店の日々: (小学館)
    神保町での暮らしにもすっかり馴染んだ主人公と、そこで出会った大切な人との、その後を描いた物語。 一作目が「これから自分はどう生きていくのか」という物語だとしたら、続編は「愛する人を失ったあと、残された人はどう生きていくのか」という物語だったように感じました。 愛も死も、遠いようでいて、誰の人生にもいつか訪れるもの。 考えれば考えるほど簡単な答えは見つからないけれど、それでも人は、喪失を抱えながらその先を生きていく。 今の私自身が考えていることとも重なり、静かに心に残る一冊でした。
  • 2026年9月17日
    声の網
    声の網
    50年以上前に書かれた星新一さんの「声の網」を読んで、いちばん驚いたのは、その古さをまったく感じなかったこと。 電話ですべてがつながり、人々の生活が便利になっていく一方で、少しずつ人間の思考や意思までもが奪われていく。 「人間は、うまれつきの脳だけではたりなくなってしまったのだ。いや、たりなくなったのは、脳の能力を使いこなそうという意欲のほうなのかもしれない。」 この言葉に、私はギクリとしました。 検索すれば答えが出て、AIに尋ねればすぐに返事がくる。便利さに慣れるほど、「自分で考える」ことを手放してはいないだろうか。 ユートピアにもディストピアにも見える世界の中に、現代の私たちへの問いが静かに潜んでいる。 久しぶりの星新一ワールド、面白さと同時に、少しゾクリとする読書でした。
  • 2026年9月11日
    新装版 森崎書店の日々
    恋人に裏切られ、仕事も辞めてどん底にいた主人公が、神保町の古書店「森崎書店」で働き始めるところから物語が始まります。 叔父や店に集う人々、そしてたくさんの本との出会いを重ねるうちに、主人公の世界が少しずつ広がっていく。 自分の生きる道なんて、最初から明確に見えているわけではなく、誰かと出会い、何かを知り、歩いていくうちに見えてくるものなのかもしれません。 私自身、福岡に戻ってから本を通じてたくさんの人と出会い、自分のやりたいことが少しずつ見えてきたので、主人公に重なる部分が多くありました。 温かく、静かに背中を押してくれるような物語でした。
  • 2026年9月7日
    君のクイズ
    小川さんの作品は今回が初めまして。クイズプレーヤーが主人公という、自分には少し馴染みのない題材でしたが、物語の面白さと先の読めない展開に、いつの間にか夢中になっていました。 特に心に残ったのが、「人生というクイズの中で僕は誤答した」という一節。 私自身、これまでの人生を振り返っては「どこで間違えたのだろう」と答え合わせをし、自分に×をつけてきたように思います。 けれど、過去の答えはもう書き直せない。 だったら、これから先の答えを自分で変えていけばいい。 まだ今の自分を「正解」だとは思えなくても、もう少しだけ自分を認めてみよう。 そう思わせてくれた作品との出会いは、きっと正解でした。
  • 2026年9月1日
    ネコババのいる町で (文春文庫)
    Audible十八作目。 第102回芥川賞受賞作の表題作を含む三作品。自由奔放な女性たちに振り回される人々が描かれています。 彼らには同情してしまう一方で、「自由奔放」も行き過ぎれば自分勝手になるし、振り回される側もまた固定観念に縛られているように感じました。 どちらが悪いとも言い切れないからこそ、なんとも複雑で、少し引っかかる。 私自身、男性に振り回される側だからこそ、彼らの姿に自分を重ねてしまい、同族嫌悪のような苦しさもありました。 強烈な印象を残す作品ではなかったけれど、この「なんとなく引っかかる感じ」も含めて、もう少し瀧澤美恵子さんの作品を読んでみたいと思います。
  • 2026年8月30日
    たった一人の読者を生きる
    大型書店で何度も目が合うような感覚に導かれ、購入した一冊。荒井さんが長く研究されている「障害者文学」という存在を、私は本書で初めて知りました。 小さき声に耳を傾ける荒井さんの文章からは、優しさだけではなく、そこに生きる人々の力強さも感じます。 誰しも生きる権利はあるけれど、自分らしく生きている人はどれほどいるのだろう。そう問われると、私自身も自信を持って「はい」とは言えません。 自分らしく生きたいと願いながら、どこかで諦めている自分に気づかされました。 まだ本書のメッセージを十分に受け取れていない気がするからこそ、これから何度も再読したい一冊です。
  • 2026年8月28日
    夢に迷ってタクシーを呼んだ
    燃え殻さんのエッセイは今回で2冊目。 以前は、燃え殻さんの文章を「セピアなイメージ」と表現しました。どこか懐かしく、憂いを帯びた雰囲気は今回も変わりません。 けれど今回は、そこに「涼しさ」を感じました。 熱を帯びてはいないけれど、決して無感情でもない。涼しげで、読んでいる者の不快指数まで和らげてくれるような文章。 ときにほっこり笑い、ときにウルッとしながら、サラッと読めてしまうのに、なぜか心に残る。 何かを教えられるわけでもないのに、読了後には少し心が軽くなる。 この不思議な力の正体を、もう少し知りたくなりました。
  • 2026年8月25日
    明日は明日の日が昇るけど、今夜はどうしよう
    自費出版からロングセラーとなり、邦訳された一冊。約1ページほどの短いエッセイが59編収録されていて、エッセイというより詩のような印象でした。 特に心に残ったのは「逃げよう」。 私自身も、ギリギリまで頑張りながらも「ここは違う」と思ったときには、サッと逃げることでなんとかここまで生きてきたので、逃げることを肯定してくれる言葉が嬉しかったです。 とても心を揺さぶられたというわけではないけれど、しんどいときにふと開きたくなる一冊。 ページの向こうから、そっと「ひとりじゃないよ」と語りかけてもらえるような本でした。
  • 2026年8月24日
    狂気の山脈にて
    狂気の山脈にて
    表題作「狂気の山脈にて」を拝読しました📖´- 南極探検隊が謎の巨大な山脈で未知の古代生物と遭遇し、地球外生命体にまつわる恐ろしい歴史を知る物語。 なかなか読み進められなかったのですが、決して面白くなかったわけではなく、私はどうやら怪奇ものやSFものを「文章で読む」のが苦手らしい……ということに、読了してから気づきました。 それでも、目に見えない恐怖がじわじわと迫ってくるような描写には惹き込まれ、文章なのに映画を観ているような感覚に。 作品の良さをまだ十分に理解できたとは言えませんが、静かなのに迫力のある文章が印象に残りました。 少しずつジャンルの幅も広げていきたいです📚
  • 2026年8月20日
    オオルリ流星群: (KADOKAWA)
    Audible十七作目。 物語の舞台となるのは、ある天文現象をきっかけに再び集う大人たち。過去の記憶や後悔を抱えながら、それぞれの人生を歩んできた人たちが、もう一度同じ空を見上げる姿が印象的でした。 青春のきらめきだけではなく、歳月を重ねたからこそ見えてくるものや、失ったものへの想いも丁寧に描かれていて、静かな余韻が残る作品。 星空を眺めるように、ゆっくり味わいたい一冊でした🌌 朗読は兼政郁人さん。耳で聴くことで、物語の情景がより鮮やかに広がりました。
  • 2026年8月1日
    殺し屋の営業術
    Audible十六作目。 2026年本屋大賞候補作として知った本作。野宮さんの作品は初めてでしたが、福岡出身であることと印象的なタイトルに惹かれて手に取りました。 殺し屋という物騒な題材でありながら、物語の軸にあるのは「人を動かす」ということ。営業術を通して、人との向き合い方や信頼を築くことの大切さが描かれているのが印象的でした。 スリリングな展開に引き込まれながらも、主人公の心情の変化が丁寧に描かれていたことで、単なるエンターテインメント作品以上の面白さを感じました。 普段は文学作品を読むことが多い私ですが、ジャンルに関係なく、心を掴まれる物語には理由があるのだと改めて思わせてくれた一冊でした。
  • 2026年7月26日
    怠惰の美徳 (中公文庫)
    戦後文学を代表する作家ですが、古さはまったく感じませんでした。国家や組織、人間の愚かさを静かに見つめる眼差しは、SNS時代の同調圧力にも通じるように思います。 それ以上に惹かれたのは、自虐をユーモアへ昇華する文章の巧みさ。「不潔な涙」や「雑巾にでもなって生まれてくればよかったのに」といった表現には思わず笑ってしまいました。どこか穂村弘さんを思わせる空気もあり、私にはたまりません。 「とにかくまた今日を過ごせばいい」という一節は、これまでの自分をそっと肯定してくれるようでした。ようやく「好きな文豪」と呼べる人に出会えた気がします。
  • 2026年7月22日
    三頭の蝶の道
    三頭の蝶の道
    Audible十五作目は、山田詠美さんの『三頭の蝶の道』。 Audible書き下ろし作品です。 文壇を生き抜いた三人の女性作家たちが、作家仲間や編集者、親族の語りによって浮かび上がる構成が印象的でした。 モデルとなった実在の作家がいることも興味深く、知らなかった作家たちの作品も読んでみたくなりました。 告別式で引用される 「愛することを教えてくれたあなた。 今度は忘れることを教えてください」 という言葉には胸を締めつけられ、最後は思わず涙が。 若い頃に抱いていた山田詠美さんの印象とは違いましたが、改めてその筆力の確かさを実感した一冊でした。
  • 2026年7月17日
    パリのガイドブックで東京の町を闊歩する: まだ歩きださない (1)
    2023年の文学フリマ福岡で、友田さんから直接購入した一冊。手元に迎えてから3年越しに、ようやくページを開きました。 パリのガイドブックを手に東京を歩くという、一見すると少し奇妙な行為。その「ずれ」から見えてくる東京の風景や、自分が暮らす街へのまなざしが、とても面白い。 知っているはずの街が、異国のガイドブックを通すことで、少しだけ知らない場所になる。歩くこと、見ること、読むこと。その境界がゆるやかに溶けていくような読書でした。 3年眠っていた積読本が、今の私にちょうどいいタイミングで届いた気がします。
  • 2026年7月15日
    破局 (河出文庫)
    最も印象に残ったのは、主人公の「機械的」な感覚でした。 感情も感覚もあるのに、それらを味わう前に分析し、淡々と処理してしまう。 その姿は、カミュ『異邦人』の主人公と重なります。 タイトルの「破局」も、恋愛だけではなく、人間として世界とつながる感覚そのものの破局を描いているように感じました。 主人公には共感できませんでしたが、自分とはまったく異なる感覚を持つ人間を物語で知ることは、読書の醍醐味だと改めて思った一冊です。
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