忘却の河

15件の記録
- 小魚小骨@KoboneKozakana2025年7月3日読み終わった読書会すみれ輪読会輪読で読んだものは毎回経過感想を書きたいと思っていたが、夢のまた夢だった。 終わり方の美しさに度肝を抜かれた。文章の素晴らしさに毎回惚れ惚れした。沢山の人生を生きた気持ちになった。 3ヶ月間、とても楽しかったです。
- 菜穂@mblaq_08252025年7月3日読み終わった本のある暮らし積読家輪読会LINEオープンチャット読書会すみれ内で開催されている輪読会にて読了。 福永武彦『忘却の河』は、過去に囚われた中年男性と病床の妻、そして彼らを取り巻く人々の視点から語られる群像劇。語り手の独白が積み重なり、心の奥に沈んだ愛と悔恨が少しずつ浮かび上がる。忘れたい記憶と忘れられない思いが交錯する、静かで濃密な読書体験でした。
- 菜穂@mblaq_08252025年6月12日読んでる本のある暮らし積読家読書会すみれ輪読会にて 第8回 「六章 喪中の人」P252~P275 三人称で語られる章の主要人物は二度目の登場である藤代家の次女でした。 2回も登場するということは次女が物語のキーマンでもあるということなのだろうと予測しつつ。 今までは笑えるちょっぴり嫌な人だった大学の先輩が、この章で本当に嫌な人だった実感。女の敵だわこれ。 でも、こういう人案外身近にいそう。 (・∀・)こ、こわー! そして、この物語の大きなテーマは「真実の愛」なのだろうとも感じました。 「真実の愛」生きていく上で重要なことではあるけれど、実態を掴むのはなかなか難しく永遠のテーマです。私にもまだよくわからん。 そして、次でいよいよ最終章を迎えるこの物語は、どのようにまとまるのか未だに予想がつきません。あと2回くらいで終わるかな……
- 菜穂@mblaq_08252025年6月2日読んでる本のある暮らし積読家読書会すみれ輪読会輪読会にて 第7回「硝子(ガラス)の城」P216~P250 今回は三人称で語られる章。 彼は誰なのかと思いつつ読んでいたら「無数にいる文化人の一人として――」の一文から、キタコレ三木先生と一人心の中で興奮した私です。 三木先生とは藤代家の長女がお世話になっている芸術批評家の方で、個展の時などに密かに会っていました。 傍から見ていると三木先生との時間は長女にとって僅かな安らぐひとときなのではないかなと思い、妻帯者ではあるけれど良い関係だし、三木先生の影のある儚さのようなものを感じ私にとっては好感を持てた人物でした。 そして、この章で三木先生の想い、背景などがしっかり見えました。切ない。 読み手が思っている以上に長女への想いが強かった。確かに妻帯者のくせに何言うとんねん、無責任やろなのですが…… 私はなんだかこの方を責める気にはなれず。ただただ切ない。みんなも悪くなくてみんな悪い。 抜け出せない硝子の城に閉じ込められる苦しさは、その人にしか分からない。 そして本物の愛とは簡単には語れない。 しっかし、三木先生が意外に若くてちょっとびっくりした。まだお若いのに抜け出せない硝子の城。余程頑丈やなこれ。苦しいね。 登場人物の背景を知るごとに誰も責められなくなってきます。人にはそれぞれ抱えているものがある。 次回は誰が語りだし、そうして物語はどのようにまとめられ終結していくのか、楽しみです。 #忘却の河 #忘却の河輪読会 #福永武彦 #新潮文庫 #輪読会 #オンライン読書会 #読書会すみれ #lineオープンチャット
- 菜穂@mblaq_08252025年5月27日読んでる本のある暮らし積読家読書会すみれ輪読会輪読会にて 第6回 「夢の通い路」P176〜P213 ここにきて藤代一家の母の名前がゆきさんだということがわかりました。 前回輪読した前半で「死」が身近にあり、心のささくれのようになっていたゆきさんですが、それとともに「本物の愛」を探し求めていたのだとも感じました。 この章は私的に語りたいことがたくさんあるので、全て読了した後にまた詳しく語りたいと思います。 それぞれの背景を知ると読み始めのときの印象とだいぶ変わる。 泣いちゃったわ。
- 菜穂@mblaq_08252025年5月20日読んでる本のある暮らし積読家読書会すみれ輪読会輪読会にて 第5回 「三章 舞台」「四章 夢の通い路」P143~P176 三章は次女のことを語られるのですが、ここで何度か母が譫言(うわごと)である男性の名前を言っていたことがわかります。そして、次女はその男性が母にとって大切な人であることも分かっているし、もしかしたら……という疑念も。 自由人のイメージだった次女ですが、彼女も彼女なりに抱えている闇のようなものがありました。そしてその中に真実の愛を追求しているようなところも感じます。 四章は母の語り。 どことなく冷たさを感じていた母でしたが、病気で寝たきりの中、その内にある想いは想像以上に切ないものでした。 譫言に出てきている男性との関係も気になるところ。 時折挟まれる式子内親王の歌がより切なさを強調しています。 ここで、章タイトルの横に引用文があるものとないものがあるのですが、引用文のある章は一人称で語られ、引用文のない章は三人称で語られていることが判明。これがこの物語にどういう作用をもたらしているのかはこれから徐々にわかってくるのでしょうか。 また、それぞれ別の方向を向いてしまっているこの4人家族はどのような結末を迎えるのかも気になります。
- 菜穂@mblaq_08252025年5月15日本のある暮らし積読家読書会すみれ輪読会輪読会にて P115~P143 「煙塵」の途中から「舞台」の途中まで 「煙塵」の語り手は初めに出てきた男の長女。 記憶にあるものの正体が掴めぬまま、妹と晩酌しながら自分は実の娘ではないのでは?と言い出すと、妹が予想外の反応をしてびっくりしたのは私です。 これはなにかある……参加者の憶測が飛び交いました。 そしてちょいちょい出てくる三木先生。 このなんとも寂しげな表情を見せる三木先生が私は気になるのですが、他の女性陣からは賛成得られず。私こういう人が気になるから、これまで男運あまりなかったやんとハッとする。 長女は記憶を辿って山梨に行くのですが、結局引っかかっている子守唄については何も分かりませんでした。いやもう、凄い気になるやんホント。 どことなく、戦争が残した影がチラつくような気もしますし、母と娘の複雑な問題もあり相変ら不穏な感じなのですが、福永武彦さんの文章からどす黒さは感じません。モヤがかっている感じ。 そして「舞台」は妹の語り。 妹が姉と話していて驚くリアクションをした理由が分かりそうで分からない。お陰で気になる気になる、そしてまた参加者の憶測が飛び交い、今回はここまで。 早く続き読みたい!!
- 菜穂@mblaq_08252025年5月6日読んでる本のある暮らし積読家輪読会読書会すみれ内で開催された輪読会にて。 第3回「二章 煙塵」P88~P155 二章の主人公は一章で主人公だった男性の娘(長女)。 病床の母の看病に明け暮れ自由を奪われている長女ですが、どことなく自分自身が自由に生きることを放棄しているようにもかんじられます。そんな長女に対してやけに冷たい母の態度が気になるところ。 そして長女が節々で思い出す記憶の正体は一体なんなのかも気になる。記憶の中にある子守唄が福島のものらしいということだけはみんなで調べてわかったけれど、それがどんな風にこの物語に繋がっていくのか。 長女に何か隠された秘密があるのでしょうか? 両親を見て育った長女は「家庭というのは欺瞞の上に成り立っているのだ」と考えています。それもなんだか哀しい。闇が深い。 どうやら「忘却の河」という物語はある一家の人々それぞれの目線で語られて行く模様。 この一家に付き纏う根深い闇は戦争と関係するのか、はたまたまた別の要因があるのか気になります。
- 菜穂@mblaq_08252025年4月22日読んでる本のある暮らし積読家輪読会にてP40~P85まで。 語り手の名前は分からぬまま語りは続く。 前回拝読したところで助けた女性のお見舞いに行き友達の話を語りだしました。 相変わらず過去と現代を行ったり来たり。語り手は過去の自分のことを友人と呼んだり、彼と呼んだり。 話し言葉にカギ括弧もないし場面もころころ変わるのだけれど、不思議と戸惑うことなく物語を受け容れれる。頭で映像化される。 さすが福永氏。 数々の死を背負い自分の人生を生きれていなかった語り手は、道端で助けた女性と出逢ってからやっと自分の人生を生きようと思えたような気がしました。 何かを抱えている大人の男性が魅力的に見えるのは凄いわかる。助けられた女性の気持ちに共感しつつ、有邪気な女性の屈託のなさに読者の心も解けるよう。 第1章は色んなことが起こりなかなか濃厚でした。次からはどうやら第1章で語り手だった男性の周りの人達が語り手として現れていくもよう。 雰囲気は「深い河/遠藤周作」に似ている気がします。 全てが語られどんな結末になっていくのか楽しみ。 映像化するならば第1章の語り手は役所広司さんでお願いします。
- 菜穂@mblaq_08252025年4月8日読んでる本のある暮らし積読家輪読会「忘却の河/福永武彦」の輪読会いよいよ始まりました🙌 福永武彦氏のことは母から良いときいていましたし、主催者さんが私好みの作品だと思うとおっしゃってくださったのでたのしみにしていました。 今回は「第一章 忘却の河」P8~40まで。 手記のような形で始まった物語は、書き手の現在と過去を右往左往しながら進みます。 始め主人公は物書きかと思いましたがそうではなくどこかの社長さんで55歳、妻は寝たきりで2人の娘ありということが読み進めていくうちにわかります。 そして主人公の背景には戦争体験があり、なにやら過去に忘がたい何かがあるご様子。 記憶を手繰り寄せながら彼が探し求めているめのはなんなのか。 また現在の彼にどのように繋がっていくのか気になるところ。 キーワードは、「助けた行きずりの女」「戦争」「過去の女」というところだろうか。 どうやら連作短編のようですし、今読んでいるところは手記のような感じなので、初っ端から私の大好物作品の雰囲気で、次回がとても楽しみです。 次回は2週間後〜待ち遠しい!!