ほしなみ "銀の海 金の大地 1" 2025年4月18日

銀の海 金の大地 1
銀の海 金の大地 1
氷室冴子,
飯田晴子
登録は一巻だけで。これを書いている時点では、新装版の発売されている4巻までを読んでいる。 息もつかせぬ展開の巧みさ、説明の上手さ、キャラ造形の華やかさ、日本古代史や『古事記』に関する造詣の深さなど、とにかく全体的にハイクオリティで、これが少女小説界のレジェンドの筆捌き……!とうっとりしながら読んでいる。 しかしながら、90年代初頭に発表された少女小説ゆえの違和感もある。特に真秀が佐保彦を一目見て恋してしまう辺りなんかは、「あの状況で一目見て恋に落ちるって、いくら何でも恋愛感情を特別視しすぎでは?」という気持ちになってしまった。「そうはならんやろ」みたいな。 人が人を好きになる、好もしく思うようになることには、ある程度必然があると思っていて、普通にあの状況の佐保彦は(少なくとも真秀にとっては)単なる嫌なヤツでしかないと思う……んだけどなあ。 嫌なヤツなのに好きになっちゃう、というのは確かに昔の少女漫画や少女小説あるあるだけど、読んでもあまり魅力的に感じられないなと思うのでした。
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