
ロッタ
@rotta_yomu
2025年4月16日

眠れない夜のために
千早茜,
西淑
読み終わった
音が聞こえて体温を感じる。
深夜のクッキーはさくさくとした歯触りがする。深夜の雨音は昼間のそれより大きく落ちる。深夜の犬は鳴いている。眠れない夜があったとして。小説の中の登場人物と同じように、スマホを握りしめいつまでも昔の知り合いの消息を辿ってみたことも、あてもなく深夜の住宅街をさまよったこともある。この本は深夜のわたしたちのための小説で、千早さんの文+西淑さんの絵は、わたしたちの眠れない夜の肯定をする。

