
ハム
@unia
2025年4月23日

メランコリーで生きてみる
アラン・ド・ボトン,
齋藤慎子
読み終わった
癒やしの書でした。
悲観と似て非なる「メランコリー」という感情、状態を大切に考えることを勧める。
〈ときにはきちんと嘆き悲しむべき、と考えることに本質的に耐えられない社会だ。〉
よく言われるように常に笑顔で、常に効率的で、常に完璧でいることを強いられているかのような社会では「メランコリー」とじっくり向き合うことすらできない。
そんな疲れた心をいろんなテーマから見つめ直して癒やしてくれる優しい一冊。
心がざわつくときは何度でも読み直したい。
〈わたしたちが胎内にいたことをもし覚えていたら、観念して出てくるよう強いられたことへの深い悲しみも、いまの自分の境遇に対する不満も、程度が激しすぎて耐えがたくなってしまう、というわけだ。前へ進むための勇気の代償として、一度は手にしていたものを忘れてしまわなければならない。〉
でもふと感じる郷愁は胎内にいたころを恋しがっているのかもしれないという感覚はなんかわかる。
雨の日に読み終えてどっぷりメランコリーを味わっているところ。




