
ロッタ
@rotta_yomu
2025年4月18日

PRIZE-プライズー
村山由佳
読み終わった
こわいよこわいよこわいよ!!
直木賞に取り憑かれるカインも小説に取り憑かれる彼らも。
商業小説というものが、どんな過程を経てわたしたちの手元に届くのか、直木賞というものがどんな選考過程を経ているのか、その裏側がこと細かく書かれている。
村山先生いいんですか...?
カインは切望する。
欲しいのは直木賞なんだと。欲しいのは、「売りたい」ではなく「優れた文学」に与えられる直木賞なんだと。
この小説は直木賞作家 村山由佳だからこそ書くことを許され説得力を持つ。
カインは存在しない。
緒沢千紘も石田三成もその他の登場人物たちも存在しない。
生々しい描写だけど、あくまでも創作であり作り事なんだと思う。でもだからこそ真実を書けるし潜ませることができる。存在しない、だから存在する。
下世話な読者であるわたしは、これまでもこれからも無責任に楽しく小説を読んでいこうと思う。
作家のみなさんありがとう。編集者のみなさんありがとう。校正の方も装丁の方も印刷所の方も運送の方も本屋の方も他にも本に関わるすべてのみなさんありがとう。

