
amy
@note_1581
2025年4月24日

読み終わった
感想
映画『教皇選挙』を観た勢いで原作を再読した。映像で流れを掴んでから読むと、以前より理解できる箇所が格段に増えた。なかでも印象的だったのは、教皇が昼夜を問わず業務に追われ、まるで企業のトップのように多忙であるという描写だ。先日逝去されたフランシスコ教皇も、ベニテス(映画で教皇に選出された人物)も、同じように激務なのだろうかと案じてしまう。
しかし教皇は「使徒ペトロの後継者」として霊的指導者である一方、世俗的権力とも切り離せない立場に置かれてきた。この二重性は12世紀以来、教会内部でたびたび問題視されてきたという。シモニア(聖職売買)の横行や、1059年に成立したコンクラーベの前身制度など、本書では映画で耳にした単語の歴史的背景が丁寧に解説されている。映画をきっかけにローマ教皇制の変遷に興味を持った人には、ぜひ併読を勧めたい一冊


