もぐもぐ羊 "ハルビン" 2025年4月24日

ハルビン
ハルビン
キム・フン,
蓮池薫
安重根が死刑判決をうけて控訴せず死刑が確定してから死刑執行までの間に自伝を書き、弟に家族を託し、キリスト教の司祭に告解を求めたが、最初は拒否されたものの告解することができた。 しかしながらフランスから朝鮮に来たカトリック関係者は信徒よりも今にも朝鮮半島を飲み込もうとしている日本におもねるような態度をとっているように思えるところもあり、信仰とは…という気持ちになった。 物語が閉じてから、その後の登場人物の足跡がまとめられていて、安重根の身内の者は独立運動に身を捧げていったようだ。 また妻子は朝鮮に住めなくなって、ロシア領や満州などを転々としていて、次男は幼くして亡くなった。 安重根が現在の韓国では英雄とされているようだが、英雄である前に人間であり、また伊藤博文暗殺は運が重なって成功したと本人が語っているように緻密に計画されたわけではなく衝動的なものだった可能性も示唆されていてとても興味深かった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved