いるかれもん "ケアと編集" 2025年4月24日

ケアと編集
ケアと編集
白石正明
愛読している「シリーズ ケアをひらく」を長らく編集していた、白石正明さん待望の著作。 新書ではあるけれど、白石さんが編集をしながら考えてきたことなどがエッセイ風に書かれている印象。 一冊を通して内容が構造化されているというよりも、少しフラフラと書かれている印象。また、カッコに囲まれてたまに話が脱線するところがまた、なんとなくケアをひらくっぽい。そして、読んでみると私がなぜケアに惹かれているのかよ〜くわかる笑。自分にとってしっくりくる言葉がたくさん。例えば… * 科学とはせいぜい因果関係が明確だという程度のこと、登場する変数が少ければ少ないほど際立ってくる、ある意味では閉じられた世界でこそ成立する営みである * 人はなにより環境とのインターフェイスによって行動するのだから、行動の根拠を個人の内面にだけ求める必要はないのではないか などなど。積極性、能動性、目的意識、タイムパフォーマンスなどの効率に迫られる今の世の中に追いつけない、どこか受け身な私にとっては、「それでもいいんじゃない?」と声をかけてくれるような一冊。やってくる素敵な偶然を受け止める余裕を持っていきたい。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved