
礼谷
@zikantoyoyuu_hosii
2025年4月25日

黒と茶の幻想(下)
川端裕人,
恩田陸
読み終わった
下巻にて理瀬シリーズ第3作完結。
掴みどころがないように見える蒔生がぎくりとした瞬間は、利枝子の「強さ」のようないいしれぬものを感じた。ふっと情景が浮かぶ、世界の区別のつかない憂理との交わりの表現にこれを求めていた!悶えた。節子の章では、3人とは確実に種類の違う彼女から見た姿や思考が描かれることで、物語に厚みが出て、地続きの世界に影を落として生きる人々の形が立体的になった。