黒と茶の幻想(下)

黒と茶の幻想(下)
黒と茶の幻想(下)
川端裕人
恩田陸
講談社
2006年4月15日
7件の記録
  • 下巻にて理瀬シリーズ第3作完結。 掴みどころがないように見える蒔生がぎくりとした瞬間は、利枝子の「強さ」のようないいしれぬものを感じた。ふっと情景が浮かぶ、世界の区別のつかない憂理との交わりの表現にこれを求めていた!悶えた。節子の章では、3人とは確実に種類の違う彼女から見た姿や思考が描かれることで、物語に厚みが出て、地続きの世界に影を落として生きる人々の形が立体的になった。
  • サツキ
    @smike1026
    2025年3月26日
  • 砂子
    @yru-suna
    2025年3月6日
  • N
    N
    @r_is_for_read
    2025年3月6日
  • a_0025
    a_0025
    @a-0025
    2025年3月5日
  • うみこ
    うみこ
    @umico5
    2025年1月29日
    下巻。開いてすぐに度肝を抜かれた。この順番でいく?まさか。恩田さん…計り知れない。 「明るい場所で見る煙草のけむりは色であり流れだが、暗がりの中では、質量であり密度である。」 4人の心情と過去の謎が屋久島の自然と共に描かれていく。「今日のこの旅は、いつから決まっていたのだろう。あたしたちの人生が交錯した、あの入学式の日からもう予定されていたのだろうか。」 「心は何にでも慣れる。透き通る空の切なさにも、取り戻した過去の苦さにも。」 …読み終えて、この順序で書かれたことを心の底から納得した。この物語は理瀬シリーズの1冊と言われるけれど、どちらかというと大人版夜のピクニックなのだ。4人の男女がただただ屋久島を歩き、話し、思考し、過去を振り返る。きっと映像にしてしまうととても単調なのに恩田陸の手にかかると壮大な物語になるから不思議だ。面白かった。人間って面白い。大切な友人たちと屋久島に行きたくなった。
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