
akamatie
@matie
2025年4月25日

別れを告げない
ハン・ガン,
斎藤真理子
読み終わった
済州島のジェノサイドを生き残った人とその影響を受けたこども世代の心情が、繊細に描かれている作品。心に寄り添う描写が心地よく、すっかりハン・ガンのファンに。
作家である主人公や、犠牲者の娘である友人の視点から描かれる残虐な行為や喪失による傷は、過去や異国の出来事ではなく、戦後を逞しく生きた世代の親を持つ私たちの中にもまだ続いている感覚を覚えた。
作者本人が愛を描いた作品と後書きに書いているのを見て、「別れを告げない」というタイトルは、ただ犠牲者や過去について歴史として書き残すだけではなくて、その記憶と共に生き続ける決意、語り継ぐことへの愛がふくまれているように感じた。



