
ゆい奈
@tu1_book
2025年1月19日

落穂拾い/犬の生活
小山清
読み終わった
うつくしく、静かでありながら、平凡に過ぎゆく日々の豊かさ、そのきらめきにこころが凪いでいく。穏やかな筆致はやさしさを纏い、人や物事をみるその視線のあたたかさに涙がこぼれる。小山清という作家のぬくもり。いいなあ、私小説。きっとやさしい人だったのだろうな。
「些細なことが私たちを慰める。なぜなら些細なことが悲しみの種になるから。」「日が暮れると何にもしないくせに僕は疲れている」「人の心にはなぜ悪意や皮肉が巣くうのだろう」
『桜林』『犬の生活』『早春』が特に好みでした。吉原遊郭で生まれ育ったらしく、幼少時代の話は子供目線の遊郭で興味深かった。あと『早春』にはときめきを隠せなかった。ほんと〜〜〜〜〜うにすてきだった。きゅんだった。








