JUMPEI AMANO "権利の名のもとに" 2025年4月25日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年4月25日
権利の名のもとに
第5章読み終わる。 3節、シオニストとしてのヴィーガン兵士の語りの分析が面白い。ヴィーガンであることで「弱い」身体と見做される、という点も(203頁の「たんぱく質」への言及はとりわけ興味深かった)。 〈そこでは、ヴィーガンの基準に照らしてもイスラエル国防軍は倫理的に優位だという主張が内包されており、同時にイスラエル国防軍におけるヴィーガンの存在は、これらの人々を積極的に包摂するイスラエル国防軍の倫理的優位性を証明してくれるものである。その意味でヴィーガンは肉食者よりも倫理水準の高い「モデル・マイノリティ」でもある。〉(206頁) 〈つまり、ヴィーガンが従軍できることに関するイスラエル国防軍の表明は、覇権的な人間/動物、肉食/非肉食の境界の廃止を必ずしも意図するものではない。むしろ、その覇権的な境界を温存しながら、採食者という非規範的な身体が、肉食者と同様に任務に就ける限りにおいて包摂されるという論理構造が表出しているのである。〉(207頁) 4節のまとめもかなり重要で、何度か読み返して落とし込みたいところ。 ある権利運動が、「無害化」される一方で完全には「非政治化」されないことにより、国家に都合の良い形で切り取られてしまうこと(208-209頁)。ホモナショナリズムの優位性の言説とヴィーガン・ナショナリズムの優位性の言説は兄弟関係があるものの、明らかに異なる点も存在すること(209-210頁)。
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