
阿久津隆
@akttkc
2025年1月8日

石灰工場
トーマス・ベルンハルト,
飯島雄太郎
読んでる
夜、遊ちゃんに対してウルバンチッチュ式訓練法をやった。今日はIの聴覚音色コントロールということで、「いいお店のつくり方」とゆっくり、右耳、左耳と交互に話し、それからスピードを上げ、最後は破裂するような速さで。100回は無理なので各4回くらい。これを何時間もやり続けるコンラートの辛抱強さに感心した。
それからオーブン焼きとサッカー観戦を経てベルンハルト。
私と妻は何時間も向かい合って座りながら、ザウアークラウトやキャベツや肉について、さらにはスクランブルエッグやスープについて、そしてソースやサラダやコンポートについていつまでも話し続けるんだよ。そうやって話していても結局何を食べるかが決まることもない。そんなふうにメニューを提案し合ったり、メニューに思いを巡らせたりしているうちに午前中が過ぎてしまうこともあるんだからなんとも恐ろしいことだ。
p.129
コンラートにとっては苦虫を噛む感じなんだろうけれど、やっぱりこの数時間というのは幸福なものに見えて、だから昨日と同じように悲しみが広がる。それはそうと「コンポート」と打とうとしたら「コンポーネント」と打っていて重症だった。


