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@46_96
2025年4月27日

くるまの娘
宇佐見りん
読み終わった
今まで宇佐見りんは「かか」がいちばん好き、と言っていたけれど、今日から「くるまの娘」になった。
名前のない形を、そのままの姿で書くのが本当に上手い。変な主観や脚色なく、誰が正しいも悪いもなく。すべてを受け取れている気が到底しないが、誰もが被害者であり加害者、血によって脈々と続いていること、彼らは親であり子どもであるという曖昧さを得た。家庭に関する中々しんどい描写も多いので、人によってはつらいと思う。
あとは、最後の一文を個人的に愛している。最後の一文とその周りの文章の、雰囲気。簡潔で舌の上に転がしたくなるサイズ感。あれほど収まりがいいのは素敵。
この話が好き、読めてよかった。
