
Runa.
@runamaru8
2025年4月27日

正体
染井為人
読み終わった
考えさせられる
サスペンス
悲しい
ボリュームの多さを感じさせない、無駄のない文章でした。あっという間に一晩で読む面白さ。
言葉の使い方や表現で魅せるより、早く結末に至ってほしい、そして考えてほしいという作者の意図を感じました。
死とは、いなくなること。
鏑木が生きた軌跡にいた人達が、それぞれ受け取った優しさや救いを胸に、世論よりと自分たちが目にしたものを信じる様が、とても人間らしく好きでした。
人が人を裁く難しさはよく題材になりますが、
AIによる事実だけを加味した判決ができれば誤審は減るのかなと思う一方、
事実では透けてこない人柄や心根は、人の目を通して受け取られます。そうなるとどうしても、その難しさはずっと続くのだろうなと思い、
まさにタイトル通り「正体」とは何が表すのかと
自問した作品でした。

