
ゆい奈
@tu1_book
2025年1月20日

風の便り
小山清
読み終わった
@ 自宅
「僕が君のことを平凡だというのは、最もいい景色は、平凡な景色だというような意味からです。」
三年ぶりに読んだ。そのときもいい本だとおもっていたのだろうけど、きっと今の方がいい本だとおもっているにちがいない。きれいごととされるものを愛することができるひとというのかな、それを疑いの目でみないというか、生活しているとどこかで捻くれてしまう瞬間があると思うんだけど、それにたいし捻くれてたまるか!みたいな芯の強さをかんじる。捻くれないというか、いつだって素直でいることってすごく大事なことだよな。だって人の優しさを優しさとうけとれないのって寂しいじゃない。誰の目にも止まらない誰かの優しさをきちんと受け取れる人なのだろうなということが伝わってきて、いいな、いいな、だった。尾崎一雄の全集を読み終わったら、小山清の全集も読みたいなあ。ほんとうにいい。
「僕達は不幸についてならよく知りつくしているように思い込んでいるくせに、幸福の方はといえば、さっぱり見当がつきませんね。」
「もともと私には自分の意見などというものはさらになく、いつも他人の意見を無断借用しては、自分の見窄らしさをカムフラージュしてきたのである。」







