
紫嶋
@09sjm
2025年4月28日

襷がけの二人
嶋津輝
読み終わった
借りてきた
「結婚し家庭に入り、夫に尽くし、子を産み育てる」ことが女の「普通」とされた時代に、その「普通」からいわゆるドロップアウトをしてしまった女性たちの間に芽生える、ソウルメイト的な絆の物語だったように思う。
また、女に押し付けられたその「普通」であったり、あるいは「お前は普通ではない」というレッテルであったりというのも、(男性中心の)社会による一方的なものでしかない、ということも物語の端々から滲み出ている。
他者との繋がりは、何も血の繋がりや婚姻による繋がりのみではない。たとえ歳の差があろうとも、同性同士であろうとも、赤裸々に悩みを相談できるほど信頼し合えたり、この人と一緒に生きていけたら大丈夫だと思えたりするような誰かがいれば、人間は何があっても明るく強かに歩んでいけるのかもしれない。


