なこ "同志少女よ、敵を撃て" 2025年4月29日

なこ
なこ
@nonbibiri75
2025年4月29日
同志少女よ、敵を撃て
話題作とは知ってても深く考えずに手に取りました。「少女」というワードからもう少しふわふわした話かとすら思ってました。重厚で骨太な内容に圧倒されました。 ———————————— 1940年代、ドイツ兵に村を滅ぼされたロシア人少女が狙撃兵となり戦争に加わる話。 端的に言ってしまえば、たった一文で済みますけど…登場人物も読み手にも感情があるので(当たり前)、そんな単純に捉えられる話ではありませんでした。 マクロ(戦況)は事実に基づいていて、ミクロ(個人)はフィクションなんでしょうかね? 兵としての思想教育の危うさや、極限の心理、命の儚さは分かっていても、固有名詞のついた個人レベルに落とし込まれると凄く生々しくて。セラフィマは本当にいたのかな、本当にこんな人生を歩いたのかな、と錯覚してしまいます。 当時の日本の戦況や、今のウクライナやガザに思いを馳せながらモヤモヤもして、過去も現在も虚構もいっぺんに考えさせられました。描写はなかなかにムゴいですけど、今読むべき本です。戦争は本当に駄目、街も人体にも人の心にもあらゆる傷を残します。戦争は本当に起こしちゃ駄目です。改めてそう思わせてくれた一冊。 家族への推薦度★☆☆☆☆ (読書家向け。普段読まない人に薦めるのは無理よこれ…)
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