
saki
@53hon_to
2025年7月6日

ありか
瀬尾まいこ
買った
読み終わった
ゆっくりじっくり読みたくて、まとまった時間ができるまであたためて、ようやく読み始めた!と思ったら一瞬で読み終えてしまった。
すごく、ものすごく沁みる物語だった。瀬尾さんの作品はどれも大好きなのだけど、今の自分は『ありか』がいちばん沁みた。たぶん、主人公の美空と同じように、正解の見えない子育てに必死になって日々を過ごしているから。
親は子に尽くしてなんぼというか、子のためなら自分のことなんていくらでも後回しにできる、何に対しても自分<子でいる考えはわたしの中にももちろんあるけれど、余裕がなくて自分自分自分になってしまうことだってしょっちゅうある。
どんなに年齢を重ねても、親に言われたことってずっとぐるぐる考えてしまう。恩はあるのだから、と揺れる美空の気持ちもものすごくわかったし、些細な心のささくれが傷つけているかも、と思うと、美空だけでなく美空の母の気持ちも大いにわかるな……と思った。
でも、終始ひかりがかわいくておもしろいし、颯斗君が飄々としていて優しくて、二人のやりとりを読んでいるだけで心が救われた。
美空の周囲の人たちもいい意味でお節介だし、完全に空気だけど、元夫の奏多も憎めないやつで、ああ〜わたしやっぱり瀬尾ワールドの人たち誰も嫌いになれない。
読んでいてずっと、心地よかった。
大好きな、大切な一冊になった。