
saki
@53hon_to
2025年5月28日

ふたりの窓の外
深沢仁
読み終わった
図書館で借りた
まるで絵画を眺めているかのように美しく、それできてスロウな時間の経過に魅了される物語だった。
二人が互いのことをよく知らないまま一緒に旅をしているのと同じように、読者も二人が経験した恋人の裏切りだとか親との確執だとかをよく知らないまま話が進んでいく。それでも、そのどこかぼやけた感じがちょうどいいというか、みなまで話を聞こうとかわかってあげようとか、そういう野暮なことを思わずに物語に没頭できたのがよかった。
二人の心が徐々に近づいていく過程も穏やかに見ていられて、読後感も心地よかった。