
レイカ
@yukari125
2025年5月1日

君のクイズ
小川哲
読み終わった
◾️クイズの問いに答えはある。人生の問いの答えは?
「ニューヨークへ行きたいか?」
クイズのテレビ番組といえば、思い浮かぶのは「高校生クイズ」だ。
高校生3人組でチームをつくり、優勝すると米国・ニューヨークに招待してもらえることになっていた。番組内でアナウンサーが参加者たちに「ニューヨークへ行きたいか?」と声をかけると、参加者一同が「おー!」と声をあげるのが定番で、印象に残っている。
テレビに出ていた彼らにとって、クイズは何だっただろうか?青春だっただろうか。
小川哲・著「君のクイズ」は、クイズオタクの三島怜央が主人公のミステリー小説だ。
三島は、テレビのクイズ番組「Q1グランプリ」に出場し、決勝戦まで進む。
対戦相手・本庄絆は東京大学出身で、ビジュアルも良く、SNSでも人気者。
同点で迎えた最終問題で、本庄絆は、司会者が一文字も問題を読んでいないうちに回答ボタンを早押しし、正解した。初代王者は本庄に決定し、三島は敗れた。
一文字も読んでいない問題に、本庄はなぜ、答えることができたのか?
この問いの答えを探すことが、物語の軸になっている。
しかし、より重要なのは、登場人物たちにとって「クイズ」とはどのようなものか。
「クイズ」にどう向き合うかという問いだ。
物語のクライマックスで、
三島にとって「クイズ」とは何か。
本庄にとっての「クイズ」とは何かが、対比して示される。
「クイズ」への向き合い方の違いは、それぞれの生き方の違いだ。
読者は「クイズ」の競技性を知ることができ、謎解きを楽しめる。
そして、「どう生きるか」という人生の問いも投げかけられる。
人生の問いと答えを考え始めると、奥が深くなる
一冊。
#読書
#本
