
椎原
@z4hara
2025年5月1日

カフネ
阿部暁子
読み終わった
面白かった!一気読みした。「カフネ」のタイトル回収というか、意味を知って目の奥が熱くなった。家事代行サービス「カフネ」の社長の企業理念というか立ち上げるまでの経緯に胸打たれた。日々の家事や仕事に忙殺される日々の中で、確かに「カフネ」のようなあたたかで慈愛に満ちた、やさしく思いやりに満ちたもの、時間を持つことが難しく、そして忘れ去られがちになってしまう。個の時間やコスパやタイパが重視されがちな昨今の世で、それでも、過ごしやすく安心できる空間で、ホッとできるご飯を、一緒にいたいと思える人と共に、ゆっくりと時間をかけて食べるひとときが、何よりも愛おしく大切でかけがえのないものだということがじんわりと滋味深いお出汁のように染み入る物語だった。あと食べ物描写が美味しそう。野性味溢れる肉料理と卵味噌が美味そうだった。大賞受賞も頷ける作品だった。



