りなっこ "バベル オックスフォード翻訳..." 2025年4月30日

りなっこ
りなっこ
@rinakko
2025年4月30日
バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下
素晴らしい読み応え。ファンタジーではありつつ、19世紀前半の英国が世界を支配した仕組みを暴く側面は歴史小説でもある。タイトルから想像してしまう事が気になって、主人公たちは一体どうなっていくのか目が離せなかった。 オックスフォードの翻訳研究所で同期として出会ったロビンたちが、急速に親密になり互いにしがみつくように信頼し合っていた日々を振り返ると、何故この四人だったのか…と胸が痛い。所々に挟まれたロビンの回想の言葉から、何か哀しいことを予想してはいたけれど。 “暴力の必要性”という重い問題提起がある一方で、様々な言語の成り立ちや背景、そしてその言語間における翻訳行為の奥深さにも思いを馳せる物語だった。 完璧な翻訳の不可能性は、あらゆる言語が尊く美しいということの証左になる。
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