バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

52件の記録
- りなっこ@rinakko2025年4月30日読み終わった素晴らしい読み応え。ファンタジーではありつつ、19世紀前半の英国が世界を支配した仕組みを暴く側面は歴史小説でもある。タイトルから想像してしまう事が気になって、主人公たちは一体どうなっていくのか目が離せなかった。 オックスフォードの翻訳研究所で同期として出会ったロビンたちが、急速に親密になり互いにしがみつくように信頼し合っていた日々を振り返ると、何故この四人だったのか…と胸が痛い。所々に挟まれたロビンの回想の言葉から、何か哀しいことを予想してはいたけれど。 “暴力の必要性”という重い問題提起がある一方で、様々な言語の成り立ちや背景、そしてその言語間における翻訳行為の奥深さにも思いを馳せる物語だった。 完璧な翻訳の不可能性は、あらゆる言語が尊く美しいということの証左になる。
- cao@monac2025年4月10日読んでる主人公ロビンやヒーロー(と私は思ってる……)グリフィンが、完璧に共感できる正しさで描かれていない、綺麗事じゃないところがいい。 差別に傷ついている人であっても、他の種類の差別に傷ついている人には気付けないことが描かれている。私は差別に気付けないから差別している側の人間なんだと思って生きていくしかない、人は正しくありたくても決して正しくあることはできないことを肝に銘じた上で正しくあろうとしなくてはならない、のだろう(このことはもっと考えてみなくては)。 どんな結末に行き着くのかが全然わからない!
- 七瀬由惟/Yui Nanase/あーしぇ@ashe_dalmasca2025年3月7日読み終わった下巻に入ってからの転換、いや転向ぶりがすごかった。互いにたたかうしかなかった者たちの哀しみが伝わる。最後/最期まで描かない擱筆のしかたも余韻があってよい。
- Hide@Hide-book2025年3月6日読み終わった借りてきたブログに感想あり上巻での仕込みからの下巻、話がどんどん動いていく。分断といつ果てるかわからぬどちらかが倒れるまで終わらないであろう闘争の話として読んだ。
- palblu@palblu2025年2月22日読み終わった2025年海外文学単行本電子書籍上巻の終わり方でとても中断することができずに下巻も一気に読んだ。 読み終えてしばし呆然。 銀工術・適合対、そして語源という作者の発想には驚かされた。