
本屋lighthouse
@books-lighthouse
2025年5月2日

ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア
デボラ・ソロモン,
太田泰人,
林寿美,
近藤学
読んでる
まだ読んでる
コーネルの女性に対するある種偏執的な関わり方は、どこかプルーストの「私」を思わせる。実際になにか行動を起こすわけではなく、基本的には自己完結する営みではあるものの、加害性すら伴うmale gazeであることも確かであり、手放しで賛美することはできないものである。憧れのバレエダンサーに初めて会った際に「現実の生きたバレリーナと初めて出会ってびっくりしたコーネルは、ぎこちなく「五歩も後ずさりした」とトゥマノワは後年回想している」(p.157)と書かれるほどには、実際の対象=女性とは距離を置きたがるコーネルを見ていると、成育環境、特にコーネルに関しては母親との関係性が強く影響を与えているらしく、抱え持ってしまう加害性を当人だけの責任とするのもやはり非情すぎるな、と朝から真剣に考えてしまう。




