もぐもぐ羊 "厨房から見たロシア" 2025年5月3日

厨房から見たロシア
厨房から見たロシア
ヴィトルト・シャブウォフスキ,
芝田文乃
第十一の皿はアフガニスタン紛争で兵士の料理を作ることになった軍属の技術者の妻。 「平和的介入」だと知らされて夫に帯同してアフガニスタン入りしたものの、ほぼ戦争状態で兵士たちの士気を上げるためにまともな料理を食べさせたいという将校の依頼で厨房で料理を作ることになった彼女のことを兵士たちはママ・ニーナと呼んだ(40歳手前の彼女の息子たちと同じ年齢の兵士ばかりだった) 第十二の皿はブレジネフ死後のクレムリンの厨房の話を前出のヴィクトル・ベリャーエフの語りで振り返っていたが、ニクソンやサッチャー、フセイン、カストロなどが自分の料理を気に入ったという自慢話が主だった。 ブレジネフ後はゴルバチョフの前の後継者までが毎年死んで毎年葬式が行われていた。 ペレストロイカは厨房でも行われたとのことだか相変わらず贅沢だった。 アフガニスタンとチェルノブイリに比べたら。 第十三の皿はチェルノブイリの原発事故で作業員のための食堂で料理を作った8人の女性料理人たちのインタビューをリレーで繋いでいた。 ほぼ何も知らされないまま放射線にさらされた彼女たちは一人を除いて今も後遺症に苦しんでいる。 ●第一の皿 イヴァン・ハリトーノフ 最後の皇帝の料理人 ●第二の皿 シューラ・ヴォロビヨワ レーニンの料理人 ●第三の皿 ハンナ・バサラバ 大飢饉(ホロドモール) ●第四の皿 山での出会い スターリンの厨房 ●第五の皿 美女とベリヤ スターリンの料理人とその妻 ●第六の皿 タマーラ・アンドレーエヴナ 包囲下のレニングラードのパン職人 ●第七の皿 遺体発掘 戦時下の料理 ●第八の皿 ヤルタの饗宴 ●第九の皿 ファイナ・カゼツカヤ ガガーリンの料理人 ●第十の皿  クレムリンの料理人 ●第十一の皿 ママ・ニーナ アフガニスタンの料理人 ●第十二の皿 ヴィクトル・ベリャーエフ再登場 ●第十三の皿 おとぎ話 チェルノブイリの厨房 ○第十四の皿 ヴィクトル・ベリャーエフ再々登場 ○第十五の皿 ポリーナ・イワノワ 猪肉のグヤーシュ、あるいはソ連最後の晩餐 ○第十六の皿 スピリドン・プーチン サナトリウムの料理人 ○第十七の皿 チェブレキ クリミア・タタール人の料理人 ○第十八の皿 ヴィクトル・ベリャーエフ最後の登場
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved