JUMPEI AMANO "差別の現代民俗学" 2025年5月3日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年5月3日
差別の現代民俗学
差別の現代民俗学
「差別・排除の民俗学」研究会
第七章(山田厳子)は、普段は「見えない」社会的秩序が見える形になる「場」である「食事」の場、ないし「食べもの」をめぐる差別を考えてゆく、短いけど面白い論考(例えば食の席で、女性がその量であれ質であれ、抑制的な立場に立たされがちなこと、等)。 〈生きるために必要な、日常的に繰り返される「行為」であるからこそ、人々は、食行為を序列化や排除や包摂に用いて、構造の強化に用いてきたこと、それを「当たり前」として受け入れてきた側の論理を明らかにしたい。〉(226-227頁) 「食べものの苦労」話が、自分自身の話ではなく、他者の話として語られる傾向にある(234頁)、というのも、興味深かった。以下のあたりも。 〈米食を価値とするまなざしから、地域を序列化するまなざしが生まれ、その地域間の序列が通婚圏と重なることで、家庭の中に持ち込まれてゆく[...]すなわち、自分たちが住んでいるところよりも貧しい地域から嫁を迎えることで、地域間の序列が家庭内に埋め込まれたのである。〉(235頁)
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