松本真波 "ちくま日本文学(037)" 2025年5月4日

松本真波
松本真波
@_mm177177
2025年5月4日
ちくま日本文学(037)
『河明り』読了。 短編とはいえ予想以上に長かったが、飽きる事なく読み切れた。それは娘の行く末が自然気になったのと、これでもかと描かれる情景描写が美しかったからだと思う。 どう着地するのか分からないまま読み進めたが、最後に書かれた主人公の人生観が、かの子自身のもののようで感慨深かった。 曰く、河には、無限の乳房のような水源があり、末にはまた無限に包容する大海がある。河はその中間であり、無限性を隠している。 かの子が自身の人生から導き出された答えでもあったのだろう。なぜかの子の作品に「水」にまつわる描写が多いのか分かったような気がした。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved