
白粉
@00_neumond
2025年5月6日

タタール人の砂漠
ブッツァーティ,
ディーノ・ブッツァーティ,
脇功
読み終わった
借りてきた
「いつか」を夢見て無為な日々を過ごしていくドローゴが現代社会を生きる我々のようで、恐ろしかった。
環境に慣れると、それまで抱いていた強い意志も弱まり皆と同じくズルズルと同じところにとどまってしまう。「明日こそ」「まだ若いから」と思っているうちに、どんどんやらずに終わったことが増えていき、歳を重ねるごとに時の流れは加速していく。最後はやっとのところで掴んだチャンスは泡となって消えてしまい、老人が掴んだ希望は安らかな死だった。
気づかないうちに通り過ぎた、選ばなかったチャンスがいくつもあると、人は晩年までずっと後悔してしまうのだろう。今を生きるために必要なことが散りばめられていた。


