
きよ
@kiyomune
2025年5月6日

読み終わった
カラーチラシのコート紙で本文が作られた本に初めて出会った。めくりやすさの低下と、裏の文字の透けは、ちょっと頂けない感じ。
ただ、この装丁は、unpisさんの不思議なイラストとの親和性のみバツグンである。ツルツルしていて、すべてに掴みどころがない。
序章の、猫で溢れるSNSの話だけで、すでに満足度が高い。
写真の在り方が著しく変わったというのに、その在り方に、社会的価値観がまったくついていけていないことが、ありありと見てとれる。
顔という、手触りとしてアナログな個人情報が、データとして取り扱われ、意識せず暴かれていくことに、ひんやりとした不安感を覚える。
保護と侵害の攻防、撮ることと撮られることの価値づけ、どんどんスイッチしていく物事についての哲学的な問いが、筆者によってどんどん展開していく。
スピード感のある本。
メモ
量産型の化粧が隠したもの
母親の姿がないカメラロール(撮影をしなくなった父)
カラー化が共感を呼ぶという図式の安直さ

