
もぐもぐ羊
@sleep_sheep
2025年5月7日

厨房から見たロシア
ヴィトルト・シャブウォフスキ,
芝田文乃
読み終わった
第十七の皿はクリミア・タタール人の受難の歴史について。
クリミア半島からカザフスタンに強制移送され土地を奪われ、あるいは命までも奪われるというジェノサイドが行われていた。
何故クリミア半島から彼らを追い出したいのかわからなかったが、彼らがムスリムだからなのか?だからイスラム教徒がおおいカザフスタンに移送したのか?もしそうならとても雑な考え方だと思った。
ウクライナに対しては第三の皿で大飢饉(ホロドモール)を起こしてたくさんの餓死者を出していた。
それでも屈することなく自分たちの故郷に戻ろうとしたり、自分たちの民族のアイデンティティを守った彼らの料理は長く暮らした移送先のカザフスタンの料理と融合して進化したものになった。
今、ロシアがはじめた戦争のせいでせっかく戻れた故郷から避難せざるを得ない状況になってしまったのは悲しい。
いつかまた帰れることを願う。
第十八の皿はヴィクトル・ベリャーエフは大統領がエリツィンからプーチンに代わる頃まで料理長を務めたが、体を壊して退職した。
その後ケータリング会社を企業したり料理学校で教えるなどして今に至る。
彼は語り部として何度も登場していたが、クレムリンの料理人の中でも寿命が長かった方なのではないかと思った。
●第一の皿 イヴァン・ハリトーノフ 最後の皇帝の料理人
●第二の皿 シューラ・ヴォロビヨワ レーニンの料理人
●第三の皿 ハンナ・バサラバ 大飢饉(ホロドモール)
●第四の皿 山での出会い スターリンの厨房
●第五の皿 美女とベリヤ スターリンの料理人とその妻
●第六の皿 タマーラ・アンドレーエヴナ 包囲下のレニングラードのパン職人
●第七の皿 遺体発掘 戦時下の料理
●第八の皿 ヤルタの饗宴
●第九の皿 ファイナ・カゼツカヤ ガガーリンの料理人
●第十の皿 クレムリンの料理人
●第十一の皿 ママ・ニーナ アフガニスタンの料理人
●第十二の皿 ヴィクトル・ベリャーエフ再登場
●第十三の皿 おとぎ話 チェルノブイリの厨房
●第十四の皿 ヴィクトル・ベリャーエフ再々登場
●第十五の皿 ポリーナ・イワノワ 猪肉のグヤーシュ、あるいはソ連最後の晩餐
●第十六の皿 スピリドン・プーチン サナトリウムの料理人
●第十七の皿 チェブレキ クリミア・タタール人の料理人
●第十八の皿 ヴィクトル・ベリャーエフ最後の登場


