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@1038sudf
2025年5月7日

目的への抵抗
國分功一郎
「暇と退屈の倫理学」で世間を席巻した國分功一郎が、その続編と位置付けた新書。
大学生、高校生に向けた講和を書籍化したもので、コロナ禍で起きたとある哲学者の炎上騒動、行政の権力優位など、分かりやすく解説してくれる。
ここから私の感想になるが、この本を読んでいて何度か「手段が目的化している」という言葉を想起した。
目的のための手段が、いつの間にか手段そのものに熱中している。「それは危険なことだぞ」と戒める意味合いで使われる。
たが、それは目的を絶対的に神聖視しているからこそ成り立つ。
もしも目的そのものに危険が孕んでいたとしたら、手段が目的と化すのは、手段が目的を食い止めていると言えるのではないか。
何かと肯定される目的という概念へ、本書は疑問を投げかける。一回は読んでみてほしい。
