
haku
@itllme
2024年9月10日

スター
朝井リョウ
かつて読んだ
正直にいうとこの本を読み終わって私は未だに何かの正解に向かっているし、どこかに正しさがあるんじゃないかって思ってる。
誰もが発信できて受信できる。
誰もがスターになりうる。
そんな世界に生きてるからこそ自分の可能性から、その限界から目を背けることができなくなってしまう。
絋と尚吾はそれぞれの正しさを信じてて、信じたくて必死に正解を探していた。
けれど、この時代にそんなものはなかった
それが良い点でもあるし、誰かを苦しくさせるものでもある。
そんな当たり前に潜んでいるものに気づかせるものだった。
2人はそういう小さな世界が集まったものを受け入れていたけど、私はまだどこかで受け入れられないところがあるんだと思う。
尚吾の師匠である鐘々江監督が"映画館"にこだわり続けたように。
私にはまだ時間がかかる。
でも、2人がその世界を受け入れた先にも
自分の本気や揺るぎない価値は持ち続けて良い、というか、持ち続けようとしている姿は、そんな世界も悪くないかなと思わせるものだった。
"私の言葉を信じるのではなくて、私の言葉をきっかけに始まった自分の時間を信じなさい" 鐘々江監督
またいつか読み返したときにそんな世界を受け入れながら変わらない私がいてほしいと願うよ。