
haku
@itllme
2024年10月13日

わたしの知る花
町田そのこ
かつて読んだ
初めて手にした町田その子さんの話し。
読んでる途中は中々、平が誰なのかわからなくてモヤモヤしたし、多様性の話ばかりなのかなと思って退屈してた。
けれど終盤に祖母(悦子)の1人語りから始まる話は一気に読み上げてしまった。
悦子と平の一生をかけた結ばれなかったようで強い糸で結ばれていたものは悦子の気持ちからも読み取れるものばかりだった。
ただ、その2人の愛を語るのではなく
他の登場人物の愛と絡め合わせながら徐々に正体を表してくる真実は、ミステリーとは違うあったかくて、でも、すっきりするそんな結末だったと思う。
会いたくても会えなかった。
お互いがお互いを思っていたことが最後の最後に伝わってよかった。
できることならその思いを伝える場面まで見たかった。
作者はきっと、そうしなかったことさえも2人の糸なのだと言っているようだった。
「最後まで、生きていくしかないんだよねえ。どれだけすれ違っても、大事な相手も一生懸命生きてると思って、願って。ひとは、それしかない。たまに会えたら、めっけもんさ」