
haku
@itllme
2024年11月20日

かつて読んだ
初めて読む江國香織さんの作品。
前他の作品を借りた時は数ページで諦めたけれど、どうしてかこの作品は読み続けるたびに続きが気になった。
10人の女子高生の話だと裏表紙に書いてあったけれど、読み終わって10人もいたかな?と思う。
数えてみたら本当に10人だった。
10人分の物語を読んだのかと聞かれるとそんなことはない。
ただ、1話1話語り手は変わっているはずなのに違和感がなくて、すんなりと入ってくるのが不思議だった。
最初の「指」
の電車のお姉さんは強烈だった。
どんな部屋だったのかなとかどんな結末を迎えるのかドキドキした。
1番読み返したいのは「緑の猫」
病気なのかな、おかしくなっていく友人(エミ)の姿を追っていく萌子。
親友ってものを探しているような気がした
彼女は
みんなと仲良くしなさい、お友達は多い方がいいのよ
と言う言葉にこう返していた。
『ばかみたいなセリフだ、とあたしは思う。この人はいったい、「みんな」って誰のことだと思ってるんだろう。「みんな」なんてどこにも存在しないのだ。誰かをハブにするとき以外は。』
初めて触れた「みんな」に対する
彼女の言葉は私の心に留まらないわけがないよね笑
誰かをハブにするとき以外はって
多分、多くの人がハブにするんじょなくて一緒にする方向で考えるはずなのにそんな期待を抱いてないことが私的に好印象だった。
たかが女子高生。
けれど、こんなにも頭の中は自己で溢れてるんだよ。
と、いつかの私も言っていたように思えた。高校生の頃に戻ったみたいだった。
全員、それぞれに学校以外の世界があって生きてた。まだ、羽ばたく前の少女たちの本の1ページの日々が私にとっては貴重な場面ばかりだった。
一言で表すなら
美しかった。