
haku
@itllme
2024年11月24日

盲目的な恋と友情
辻村深月
かつて読んだ
タイトルと表紙のかわいさにら惹かれて手に取った本。
本の中にある2つの章のタイトルは
「恋」と「友情」
違う登場人物が出てくるのかと思っていたけれどそんなことはなかった。
蘭花と留理絵の話だった。
蘭花が語り手である
「恋」は、茂美との恋の話だった。どんどん泥沼にハマっていく。
出会の場面だけはトキメキを覚えたけれどそのあとはほとんど幸せのシーンがなくて闇の中に消えていく様子があっという間に描かれていた。
できることなら茂美の気持ちを描写したものを知りたかった。けれど、恐らくその願望、他の作品であれば語られているからでこのあと出てくる留理絵という2人の恋に関して第三者となる人間の心情はここでしか描かれないのだと思う。
「友情」
これは留理絵の過去の話から始める。
コンプレックスを抱えた彼女が蘭花との出逢いによって変わっていく。
読みながら思ったのはあまりにも蘭花への気持ちが重いということ。
本当に1つ1つの言動に対して蘭花からの気持ちを誰かと比べている。恋人すらも。
蘭花が付き合っていた人と関係を持った描写には驚いた。
ただ、1つも私の心に刺さる言葉はなかった。それはまだこの2人の泥沼のように見える関係にお互いに思うという気持ちが存在しているように感じなかったからだ。
親友という言葉を発しながらもお互いが見ているのは、茂美と誰かに必要とされている自分自身だったからだ。
この本を読んだ人がいて、もしこれに共感して心揺さぶられた人がいたとするならば、私が分かり得ない考えを持っている人間として話していみたいと思う。