ほのめ "おいしいごはんが食べられます..." 2025年5月5日

ほのめ
ほのめ
@udonco
2025年5月5日
おいしいごはんが食べられますように
読みやすい文体で、一度開いたらサクサク読み進められた。 登場人物全員にちょっとずつ共感できるところがちゃんとあるのに、それと同時に「いや絶対に分かり合えないわ」と圧倒的な断絶を突き付けられるのすごい。そこ両立できるんだ。 芦谷さん、たぶんネットの感想とかでは蛇蝎の如く嫌われてボロクソ言われてるんだろうな……と思いながら読んで、読後に調べたらまあやっぱりそうだったんだけど、私はなんだか彼女のことが最後まで嫌いになれず。 というかメイン3人全員なんかそんな感じ。 現実にいたら絶対関わりたくないタイプだけど、妙に憎めないというか……。 芦谷さんの行動がどこまで自覚的かってところはあえて描写されずに終わるけど、他人をまあまあ辛辣な目で見ている二谷が「彼女の具合が悪そうなところは本当に見えた」みたいなことを言う場面があったので、彼女はきっと本当に社会生活向いてないタイプなんじゃないのかなあ……。 愛される才能はあるんだろうけど、それをもってして補えないしんどさを抱えているんじゃなかろうか。 描写されてないだけで、彼女自身の一人称の世界では、相当生きづらい人なんじゃないかと思う。 自分は駄目なところだけ芦川さんに似ていて、彼女の持つマメさや優しさや愛嬌みたいなのは全く持ち合わせていない人間なので、何ならちょっと尊敬の念さえ湧いてしまった。 この本読んでこの感想に至るの相当まずい気がするけど、今から入れる保険ありますかね?
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