綿 "なぜ人は自分を責めてしまうの..." 2025年5月7日

綿
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@shelf_soya
2025年5月7日
なぜ人は自分を責めてしまうのか (ちくま新書 1845)
抱えている自責について、これ一冊だけ読んですっきりするような本ではないが、母の日が近づいているこのタイミングでこの本を読めてよかったとは思う。 まず女親に押し付けられている「母性愛」は明治以降に構築された制度であること、その制度、役割が押し付けられている段階で母もまた被害者ではあるけれど、被害者の立場で、より弱いものへ、物理的に手をあげるなどの暴力を振るう暴力ではなく、ケア、世話、愛情という「無敵の価値を利用して行われる支配」という子どもへの暴力をはたらく存在と化す可能性があること、ケアの支配性が発揮されるしくみを知ることができたのが、個人的には一番よかった。 一方で「ぜんぶ自分のせいだ」という自責は容易に反転する、というくだりもSNSを例に取り上げていたが、自分も陥りがちなシチュエーションであるため注意したい。
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