
ほんね。
@Honne_0330
2025年5月10日

星のように離れて雨のように散った
島本理生
読み終わった
広義でいうと恋愛小説、なのかな。恋愛小説としては捉えたくはないけど。
何だろう、すごく読みやすくて所々にはっとさせられる文章もあって好きなんだけど、この物語の本質に辿りつけていない気がする。
主人公の恋人の亜紀、すごく優しくていい恋人なんだろうけど、あまりにも優しすぎて読んでいる間ずっと違和感があった。主人公もよく分からない。
この年齢にしては自分を知らなさすぎでは…って思ったけどそれが物語の要か。
2人の"よく分からない"奇妙さがずっと不気味。
でも結末までいってから戻って読み直すと、ああ、だからこういう考え方するのか、こういう言い方になるんだとか発見もあって面白い。
君を救いたい、守りたいっていいながら、その実、本当に救いたいのは過去の自分だったりする。恋愛って何なんだろうね…エゴ…?
恋人の好きそうな、異性が好みそうな服装を選んだりとか、そこに自分の意思が介在しない感じがリアル。
愛してるって言われて、私を愛してるってどういうこと?って聞き返す主人公の気持ちもどこかで分かってしまうからざわつく。
これに即座に答えられる人いるのかな〜〜〜。
というわけでいつか絶対再読したい。読み終わり直後で感情ぐちゃぐちゃ。
◾︎p120「異性としてだけ求められたら失望するのに、異性としての価値も見出してもらえないと不安になる。」
◾︎p164「嫌いな自分にフタをして、好きな相手の言葉や価値観だけで自分の中をいっぱいにしたら、そのときは甘い気持ちでいられるかもしれないけど、相手のほうは逆にどんどん原さんが見えなくなるよ。原さん自身だって」

